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不動産管理の最高峰資格「CPM」(公認不動産経営管理士)を解説

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松島 健史

筆者 松島 健史

こんにちは。株式会社日本Ethics(日本エシックス)代表の松島 健史です。

今回は、不動産管理の最高峰資格といわれる「CPM」についてお話しします。CPMはCertified Property Managerの略で、日本語では公認不動産経営管理士といいます。ちなみに私もこの資格を持っています。中身と取るまでの流れ、受講して感じたことを書きます。

1. CPMとは、どんな資格か

CPMは、米国の団体IREM(Institute of Real Estate Management)が認定する不動産管理の称号です。日本では、IREM JAPANが講座と試験を運営しています。

IREM JAPANの公式サイトは、CPMを「不動産マネジメント資格の最高峰」と紹介しています。「高い倫理観と高度な専門性を持つと認められた個人のみに与えられる称号」で、世界基準の称号だという説明もあります。また日本語版ウィキペディアには、米国の投資家やオーナーは、不動産管理業界の他のどの資格よりもCPMの称号を好むと言われている、と書かれています。(私が名乗っているのではなく、公式の言葉です。)

大切なのは、CPMが「建物を直す技術」の資格ではないことです。物件を一つの事業として見て、いくらかけて、いくら返ってくるのかを数字で組み立て、オーナー様の目的に合わせて提案する力を学ぶ資格です。

2. 取得までの流れ

まず条件です。不動産管理の実務経験が3年以上必要で、管理している物件の規模にも条件があります。たとえば居住系なら、1か所で300戸以上、といった基準です。最新の条件は、IREM JAPANの公式サイトでご確認ください。

必修科目は、次の8つです。倫理、予算とキャッシュフロー報告、メンテナンス業務とリスク管理、管理チームの指揮、マーケティングとリーシング、融資とローンの分析、成果と評価、資産分析。それぞれの科目の最後に試験があり、合格しないと先へ進めません。全科目が終わるとCPM検定を受けます。これは100問の選択式の試験です。そのあとに、最終試験のMPSAがあります。

MPSAは、私が受けた当時は、架空のオーナー、架空の町、架空の物件という設定が与えられ、オーナーが求める投資計画を達成するために、どんな提案をするかを論文形式で答える試験でした。

講座は、全国の会場か、オンラインで受けられます。私は関西で受講しました。

費用の話もしておきます。私の受講料は、旅費、宿泊費も含めて100万円前後でした。IREMは米国の団体で、費用はドルを基準に決まる仕組みです。円安になると、日本円ではその分高くなります。私が受けたころより円安が進んだ今は、さらに高額になっていると予想できます。それでも私は、高いとは思いませんでした。費用がかかっても、学べたことのほうがずっと大きかったからです。

3. 私がCPMを受けた理由

管理会社に入社したころ、このキャリアをどう高めていくか、迷っていました。当時の上司は、トップ営業といえる人でした。ただ、その営業は、相手の感情に訴える手法が中心でした。上司のスキルは素晴らしいものでしたが、私には再現性がありませんでした。将来、私が部下を持ったときに、上司のような交渉力や人間的な魅力で顧客を獲得しなさい、とは言えません。上司だからできることで、ほかの人間にはできないと感じていました。

そのときに知ったのが、CPMでした。こうなったから、こうする。いくらコストをかけて、いくらのリターンを得る。それを体系的に学べる、科学的で再現性のある手法だと思いました。

たとえば、大家さんにリフォームを提案する場面を考えてください。いくらかかるのか。なぜその金額なのか。その工事は、かけてよいお金なのか。なぜそう言えるのか。この4つに答えられる不動産管理士は、案外少ないと私は思っています。100万円、200万円の高額な見積もりを持ってきておいて、その部屋の家賃がいくらかも踏まえていない人が、本当にいます。いくら利益が上がるか分からない商品に、高額な開発費がかかります。「やりますか?」と言っているのと同じです。

この物件は、いくらの家賃になるのか。それに対して、かけてよいコストはいくらか。お客様が求めるリターンを得るために、最適な方法は何か。ここが計算できなければ、的確な提案も、最適な提案も、ありえないと私は考えています。情熱や勘や人間性、営業力に関わらず、現状がプラスになるのかマイナスになるのかを、正しく判断できるスキルが必要だと思い、CPMを受講しました。

4. 最初の講義は「倫理」

CPMの講座で最初に学ぶのは、ETH800という講義で倫理という意味です。株式会社日本Ethicsの「Ethics」は、CPMの最初の講義、倫理(Ethics)から取りました。

なぜ最初に倫理を学ぶのか。どんなにスキルがあっても、どんなに知識が豊富でも、倫理観のない提案では、オーナー様を守れないからです。倫理だけで1日がかりの講義で、徹底的に学びます。私は感銘を受けました。

不動産は金額が大きく、大家さんの大切なお金や資産、人生を左右します。倫理観のない提案は、ありえません。残念ながら、日本の不動産業界では、ここが足りない人も少なくないと、私は感じています。根本中の根本は倫理である。この資格を取って、いちばん伝えたいことです。

5. 受講中の話

受講期間は、半年以上でした。月に1〜2回、2日間ずつ通います。(細かい日程は、うろ覚えです。)一つひとつの科目の小テストに合格していかないと、次に進めず、資格も取れません。

私は関西の会場に通いました。新大阪駅から近い会場で、近くのカプセルホテルに泊まりました。受講して、同期と飲んで、カプセルホテルで寝て、また受講する。本当に寝るだけの場所でした。

高額な受講料を払ってでも、自分を高めたい人が集まるので、受講生のレベルは高く、不動産管理や不動産業の「ガチ勢」ばかりです。ここで培った人脈は、ものすごく大切なものになりました。同期にはお酒が好きな人が多く、講義のあとはみんなで毎回飲みに行っていました。

ところが、最終試験のMPSAが近づくと、みんな飲みに行くのをやめました。(正確には、飲みに行く前に振り返りをする、が正しいかもしれません。(笑))これはまずい、どうやって対策しよう、と話し合うようになったのです。もうだめだと諦めかける人もいます。それでも、ずっと一緒に通ってきたので仲間意識があります。諦めずに頑張ろう、この場合はこうしよう、と教え合い、勉強し合って、合格を目指しました。

講義で印象に残っている話があります。あるファカルティ(講師)が、受講した理由を話してくれました。その方は、以前、不動産会社で勤め人をしていたころ、ある大家さんの物件を満室にするために、あれこれ提案をしました。満室になり、喜んでもらえると思っていたところ、大家さんから返ってきたのは、満室にはなったけれど、お金が残らなかった、という言葉でした。大きなショックを受けたそうです。オーナーの投資計画を達成できる提案をする実力が、当時の自分になかった。それを変えたくて、CPMを学びに来た、という話でした。私も同じだと思いました。根拠のない提案では、一生懸命に大家さんを助けたくて行動しても、本当の意味で助けることはできません。今も心に残っている話です。

6. 受講して変わったこと

いちばん変わったのは、逆算で考えるようになったことです。当たり前のことなのですが、スキルのない管理士は、行き当たりばったりの提案をしがちです。私は、まず大家さんが、その物件をどうしたいのかを確認するようになりました。売却するのか、保有するのか。保有するなら、何年保有するのか。求める利回りやリターンは何か。何を望んでいるのか。そのうえで、どうアプローチすれば、その数字を最も高められるかを考えます。

これからCPMの受講を考えている方には、ぜひ取ることをお勧めします。費用も時間もかかりますが、提案の根拠を数字で示す力と、倫理観という土台は、この仕事をするかぎり、ずっと役に立ちます。同じ志の仲間と出会えることも大きな財産になりますので、迷っているなら、挑戦してみてください。

CPMの紹介は、以上です。資格を取ったから偉いわけではありません。ただ、大家さんの大切な資産を預かる仕事だからこそ、提案の根拠を数字で説明できることと、倫理観を持つことは、欠かせないと考えています。

リフォームの見積もりや、物件の運用についてのご相談も、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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株式会社 日本Ethics

代表取締役 松島 健史

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