「賃貸不動産経営管理士」とは?宅建士との違いから、資格の意義・合格までの道のりを解説の画像

「賃貸不動産経営管理士」とは?宅建士との違いから、資格の意義・合格までの道のりを解説

official

松島 健史

筆者 松島 健史

こんにちは。株式会社日本Ethics(日本エシックス)代表の松島です。

今回は、私が宅建士とダブル受験で取得した、もう一つの国家資格「賃貸不動産経営管理士」についてお話しします。前回のブログでは宅地建物取引士(宅建士)について書きましたが、実は賃貸経営の現場において、宅建士以上にオーナー様の日々の資産管理に直結する資格が、この賃貸不動産経営管理士だと私は考えています。

宅建士が「取引の安全」を守るゲートキーパーだとすれば、賃貸不動産経営管理士は「経営が始まった後」の適正化を担う存在です。今回は、この資格がどのようなもので、なぜ重要なのか、そして私自身の受験体験も交えながら解説していきます。

1. 賃貸不動産経営管理士とは:「業務管理者」を支える比較的新しい国家資格

賃貸不動産経営管理士は、2021年(令和3年)に国家資格化された、まだ歴史の浅い資格です。以前は公益財団法人日本賃貸住宅管理協会など、複数の団体がそれぞれ独自に運営していた民間資格でしたが、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(賃貸住宅管理業法)の施行に伴い、業界統一の国家資格として位置づけられました。(私は、民間資格時代に取得しています。)

法律上の役割を簡単に言うと、200戸以上の賃貸住宅を管理する管理業者は国土交通大臣への登録が義務付けられており、その営業所や事務所ごとに、管理業務に関する2年以上の実務経験を持つ「業務管理者」を1人以上置かなければなりません。この業務管理者になるための要件の一つが、賃貸不動産経営管理士の資格なのです。

宅建士との違いを一言で整理すると、宅建士は「不動産の売買・仲介(客付け)」における契約成立までの安全性を担保するプロであるのに対し、賃貸不動産経営管理士は「契約が始まった後」の賃貸管理・運営における適正化を担うプロです。管理受託契約の内容の明確性、維持保全の実施方法、家賃や敷金などお金の管理方法、定期報告や秘密保持の徹底など、賃貸経営が始まってからオーナー様の資産を守り続けるための、幅広い管理・監督業務を担っています。

2. 資格の実態を数字で見る

直近の令和7年度試験では、申込者数36,360人(過去最多)、受験者数31,792人に対し、合格者数は9,370人、全体の合格率は29.5%でした。宅建士の合格率が例年15〜18%前後であることを考えると、数字だけ見ればやや取りやすく感じるかもしれません。しかし、この資格の本質的な価値は合格率の高低ではなく、実務でどう活かすかにあると、私は考えています。

試験は年1回、例年11月中旬に実施され、受験資格に年齢・学歴等の制限はありません。出題範囲は管理受託契約、賃貸住宅の維持保全、家賃・敷金・共益費等の金銭管理、賃貸借契約、関連法令など、賃貸管理の実務全般にわたります。ちなみに、令和7年4月時点での登録者数は88,740名にのぼり、賃貸経営に関わる実務家の間で、着実に認知が広がっている資格だと感じています。

3. 宅建士とのダブル受験、そのリアルな続き

前回のブログで、私が入社1年目に宅建士と賃貸不動産経営管理士のダブル受験に挑んだ話をしました。今回はその続きです。

10月の宅建試験を終えたあの日、実は私はすぐに賃貸不動産経営管理士の勉強に切り替えたわけではありません。試験を終えたその夜は、家で妻とささやかな祝杯をあげました。1年間、朝晩合計2時間、途中からは3時間の勉強を毎日続けてきた区切りの日でしたから、その日くらいはゆっくりしたいというのが本音でした。

翌日から完全に賃貸不動産経営管理士の試験勉強に切り替えました。宅建試験の解放感に浸っている暇はなく、11月中旬の本試験まで残された時間は決して長くありませんでした。(さらに、会社の忘年会の出し物の責任者をしていたので時間がむちゃくちゃ圧迫されました。)それまで宅建士対策にあてていた朝晩の学習時間を、そのまま賃貸不動産経営管理士の教材に置き換え、これまでと同じ「決まった時間に、決まった量を、淡々とこなす」というルーティンを継続しました。

このとき役立ったのが、5月頃から並行して積み上げていた貯金です。教材が届いた時点で、朝晩の学習時間にプラス1時間を追加していたため、宅建試験終了時点で、賃貸不動産経営管理士側の学習もある程度の土台ができあがっていました。だからこそ、切り替え後の限られた期間でも、ゼロからのスタートにはならずに済んだのだと思います。(おそらく総勉強時間は、250時間くらいだったはずです。)短い期間でしたが、それまでの1年間の積み重ねがあったからこそ乗り切れた、というのが正直な実感です。

4. 「資格を持つ」ことと「業務管理者としての本質」は別物

前回の宅建士のブログでも書きましたが、資格はあくまでプロとしての最低条件です。これは賃貸不動産経営管理士についても同じことが言えます。

業務管理者に求められているのは、単に試験に合格して資格を持っていることではなく、管理受託契約の内容が法令に適合しているか、維持保全の実施方法が妥当か、家賃や敷金などお金の管理が分別管理のルールに則って行われているか、帳簿の備付けが適正か、定期報告がきちんと行われているか、入居者様からの苦情に誠実に対応できているかといった、実務の一つひとつを管理・監督する姿勢です。

重要事項説明ひとつをとっても、書面を早口で読み上げて終わらせる説明と、オーナー様が本当に納得するまで向き合う説明とでは、その先にあるトラブルの発生率がまったく違ってきます。資格はあくまで入口であり、そこから先にどう向き合うかが、本当の意味でのプロフェッショナルを分けるのだと、私は考えています。

5. 岡山のオーナー様へ:良い管理会社選びの視点として

岡山で賃貸経営をされているオーナー様が管理会社を選ぶ際、担当者が宅建士や賃貸不動産経営管理士の資格を持っているかどうかは、一つの目安にはなります。ただ、それ以上に大切なのは、その資格を「実務の中でどう活かしているか」という視点です。

家賃・敷金などお金の管理がきちんと分別されているか、維持保全の提案に根拠があるか、そして何より、困ったときに誠実に向き合ってくれるか。こうした点を、ぜひ管理会社選びの基準にしていただければと思います。

よくある質問

Q. 賃貸不動産経営管理士は独学で取得できますか?

A. 可能です。受験資格に制限はなく、市販のテキストや過去問を使った独学でも十分合格を狙える試験です。(私は資格試験は全て独学で取得しました。)ただし、賃貸住宅管理業法をはじめとする関連法令の理解が問われるため、宅建士など他の不動産資格の学習経験があると理解がスムーズです。

Q. 宅建士と賃貸不動産経営管理士、どちらを先に取るべきですか?

A. どちらが先でなければならないという決まりはありません。ただ、不動産取引の基礎となる法律知識は宅建士の学習内容と重なる部分が多いため、宅建士を先に、あるいは同時並行で学習すると、賃貸不動産経営管理士の理解も深まりやすいと感じます。

Q. この資格を持っていると、具体的に何が変わりますか?

A. 管理業者にとっては、業務管理者の設置要件を満たせるという実務上のメリットがあります。オーナー様側から見れば、担当者がこの資格を持ち、かつ実務で正しく機能させているかどうかが、管理会社の信頼性を見極める一つの手がかりになります。

不動産経営は、契約して終わりではなく、そこから始まる長い付き合いです。賃貸不動産経営管理士という資格の背景にある「管理業務を適正化する」という理念を、日々の実務でどれだけ体現できるか。私自身、この資格を取得した意味を、これからも現場で問い続けていきたいと思います。

形だけの管理に不満がある方、本当に信頼できるパートナーをお探しの方は、ぜひ一度、当社にお問い合わせください。

▶ [無料相談・ご来社予約のお問い合わせフォームはこちら] //www.j-ethics.jp/

▶ お電話でのお問い合わせ:086-237-1060

(定休日:無 受付時間:10:00〜18:00)

株式会社日本Ethics

代表取締役 松島健史

”official”おすすめ記事

  • 「管理業務主任者」を解説|賃貸管理にも活きる分譲マンションの知識と、ダブル受験をすすめる理由の画像

    「管理業務主任者」を解説|賃貸管理にも活きる分譲マンションの知識と、ダブル受験をすすめる理由

    official

  • 不動産業の基本資格「宅地建物取引士」とは? 概要から合格までの勉強法まで分かりやすく解説します!!の画像

    不動産業の基本資格「宅地建物取引士」とは? 概要から合格までの勉強法まで分かりやすく解説します!!

    official

  • 良い管理会社とはの画像

    良い管理会社とは

    official

  • 代表挨拶の画像

    代表挨拶

    official

  • 会社設立のご挨拶の画像

    会社設立のご挨拶

    official

もっと見る